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能書き 何でこんなページを追加することになったのかについての言い訳

2018年

2018.2.3. 『私立探偵ダーク・ジェントリー』第2シリーズ公開開始


能書き

 自分のホームページを初めて世界に向けて公開したのが2001年2月12日、それからほぼ毎週土曜日ごとに地道に更新を続けてきたけれど、その過程で実はひそかにストレスが溜まっていた。
 表向き、私のホームページの内容は、ダグラス・アダムスとユーリ・ノルシュテインとアントニオ・ガデスの3人についての紹介で、そこには当然私の主観が色濃く反映されてはいるものの、一応ある程度の客観的な情報を記載するに留めている。その気になれば、誰でも調べられることではあるがそこまで調べようとは思わないだろうこと、たとえばアルメイダ劇場のこととか、または個別には知っていたとしても関連を意味づけようとはしないだろうこと、たとえばダグラス・アダムスとリチャード・ドーキンスの関係とか、そういう類の事柄だ。
 だが、そうやって細々とした事どもを追いかけているうち、してやったりの体験や思いがけない幸運に出くわすことがある。だがそれらはあくまで私個人に属することなので、当然これまでホームページの中には一切盛り込まなかった。
 たとえば、ロード・クリケット場。私は、ロード・クリケット場に入ったことがある。それも、一観客としてクリケットの試合を見たのではない。大体、私が訪れた日は試合をしてすらいなかった。では、会員でもなければ入れないはずのクリケット場に、どうしてクリケットのルールもロクに知らない私が試合のチケットもなしに入れてもらえたのかと言うと、その時私と一緒にロンドンを旅行していた友達の叔母さまがイギリス人と結婚してロンドンに住んでおられて、その結婚相手のイギリス人紳士がイギリス人紳士にふさわしくクリケットのファンで、ロード・クリケット場の会員だったのだ。そして、私の(かなり歪んだ理由でではあるが)ロード・クリケット場に対する思い入れを知ると、快く案内役を引き受けてくださった。
 何年か前の3月。その年は常にない暖冬で、3月とは言えセーター一枚で汗ばむ程の陽気だった。叔母さまの自宅はリージェンツ・パークの東側で、そこからリージェンツ・パークを横切ってロード・クリケット場に歩いて行くことになった。私と友達とイギリス人の叔父さまの3人で、相当に怪しい英語で話しながら、柔らかい緑に染まった公園を散歩したこと、途中公園内にある休憩所で紅茶とお菓子をごちそうになったこと、友達はその時つましくスコーンを一つ手に取ったのに、私はやたらデカくて派手なフルーツタルトを食べたこと、いざクリケット場の前にたどりついて、施錠された門の前に立てただけでも感無量だったのに、叔父さまが中の人に話しかけて鍵を開けてくれるようお願いしてくださったこと、さすがにグラウンドの芝生の中には入れなかったがすぐそばまで行けたこと、私の全く知らないクリケットの名選手の写真が貼られたグラウンドの売店で、シンボルマーク入りのグッズやポスターを買えたこと、それらの記憶は褪せることなく今も鮮明に残っている。
 おととしの初夏、叔父さまは早世された。さすがに私は行けなかったが、友達は直ちにイギリスに飛び、デヴォン州で行われた葬儀に間に合うことができた。その時、「クリケットに興味がある珍しい日本人」ということで、私の話も出たらしい。帰国した友達は、普段叔父さまが愛用されていたというロード・クリケット場のマグカップを、形見の品として私にくれた。マグカップには、ENGLAND V AUSTRALIA ASHES SERIES LORD'S 1993 という文字と、クリケットのバットを持った獅子(イギリス)とカンガルー(オーストラリア)のイラストが書かれている。
 と、書き始めるときりがないが、それらはあくまで個人レベルの話である。故に、「ロード・クリケット場」の項目に載せるべきではないと考え、実際に書いたのは名称や最寄り駅や歴史についてのとびきり客観的な情報だけに絞った。絞ったものの、欲求不満は残った。
 という次第で、「更新履歴・裏ヴァージョン」新設と相成った。こちらには、表の側には載せられない個人的な感想や思い出やその他もろもろについて、週間日記のような感覚で気の向くままに書いていくつもりでいる。
 よろしければ、お付き合いください。

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2018.2.3.  『私立探偵ダーク・ジェントリー』第2シリーズ公開開始

 前回の同コーナーで書いた通り、Netflixのテレビドラマ『私立探偵ダーク・ジェントリー』第2シリーズは、私の期待通り、日本でも1月5日から公開が始まった。めでたい!
 第1シリーズが公開された時の経験から、1月5日に公開されると言っても朝一番からアップされる訳ではないと知っていたので、前回のように早起きして待機してがっかりするという愚は繰り返さなかった(同じことをまたやったらさすがにバカだよね)。夜になって、確実にアップされたと思われる時間帯からNetflixにアクセスし、待ってましたとばかりに第2シリーズ第1話を選択したら――
 あ、あれ? これ、本当に『私立探偵ダーク・ジェントリー』なの?? ひょっとして私、興奮しすぎて別のプログラムを選んじゃった???
 ……というのが、第2シリーズ第1話の冒頭を観た瞬間の、率直な感想だった。単に意外に思っただけでなく、実際に再生をいったん停止して番組のタイトルを確認した程だ。そのくらい、あのオープニングには意表を突かれた。
 勿論(?)、しばらく進むと第1シリーズですっかりおなじみになった面々が登場し、ああ良かった、やっぱりこれは本当に『私立探偵ダーク・ジェントリー』だったんだ、と納得できたけど、第2シリーズ第1話ではサミュエル・バーネット扮するダークは組織に拘束されているため、第1シリーズでおなじみの黄色いジャケットは着ていない。初めてあの黄色いジャケット姿を見た時は「いくら何でもヘンテコすぎないか」と思ったのに、今ではすっかりあのジャケットが恋しくなっているから不思議だ、というか、まんまと製作者の意図にハマっているだけか?
 その後、イライジャ・ウッド扮するトッドとの再会シーンにも見事に意表を突かれたし、第2シリーズ全体を通してハチャメチャとしか言いようのない出来事が次々起こるにもかかわらず最後には見事にきれいにつなげてみせる辺りは「全体論的」の面目躍如だったと思う。第1シリーズと比べて私が苦手だった血腥さも随分薄らいでいて、私としては好感が持ちやすかった。ただ残念だったのは、第2シリーズでは第1シリーズと違ってダグラス・アダムスの原作小説への言及とかほのめかしのようなものがほとんど出てこないこと。すっかりNetflix版テレビドラマ作品の世界として確立されていて、そのこと自体はいいんだけど、もう少し細部で目配せがあると良かったのに――と思ったけど、ひょっとして私がまんまと見逃しただけかもしれないので、やっぱりもう一度最初から冷静に見直してみようっと。
 
 そして今回の更新は、テレビドラマ『私立探偵ダーク・ジェントリー』第2シリーズに加え、コミックス版の3作目 The Salmon of Doubt も紹介。合わせて、このコミックスの第1巻に付けられていた、テレビドラマで過激な殺戮者バートを演じた女優フィオナ・ドゥーリフによるイントロダクションも追加した。
 コミックス The Salmon of Doubt は、『私立探偵ダーク・ジェントリー』第1シリーズの内容とコラボしていて、コミックスとテレビドラマの両方に目を通していた上で読むとなかなかおもしろい――言い換えると、コミックスとテレビドラマの両方に馴染みがない人にはやや意味不明かもしれない。当然ながら、アメコミ化されたサミュエル・バーネットなダークやイライジャ・ウッドなトッドも登場していて、サミュエル・バーネットはまだしもイライジャ・ウッドはあまりにも本人と似ていなかったため、びっくりしたことを告白しておく。

 それから、今年も勿論、「My Profile」コーナーに「2017年のマイベスト」も追加したので、こちらもよろしく。ま、2017年のベスト小説に関しては、「言わずもがな」もいいところだけどね。
 
 あと、関連人物一覧に、2016年3月に開催された第14回ダグラス・アダムス記念講演で講演者を務めたアリス・ロバーツを追加した。私が気付いてなかっただけで、著書の日本語訳も出版されたのね。にしても、2017年に続き、2018年も今のところダグラス・アダムス記念講演が開催されるというニュースは入っていないが、やはり記念講演自体がもう終了なのかしら……?

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