ダグラス・アダムスの伝記と解説本

〈伝記〉

Gaiman, Neil. Don't Panic: Douglas Adams & The Hitchhiker's Guide to the Galaxy.

 ダグラス・アダムスに関して出版された、初めての書籍。1988年の初版以来、1993年、2002年の二度に亘って加筆され、2003年にハードカバーで発売された版では序文が書き直されている。その後2009年にも加筆されてペーパーバックで発売された。

1st edition (1988): Don't Panic: The Official Hitchhiker's Guide to the Galaxy Companion.

2nd edition (1993): Don't Panic: Douglas Adams & The Hitchhiker's Guide to the Galaxy.
  David Dickson が、24〜26章を追加

3nd edition (2002): Don't Panic: Douglas Adams & The Hitchhiker's Guide to the Galaxy.
  MJ Simpson が、27〜30章を追加

4th edtiion (2003): Don't Panic: Douglas Adams & The Hitchhiker's Guide to the Galaxy.
  ニール・ゲイマンが、序文を追加(これまでの序文は、「Introduction」扱いとなった)

5th edtiion (2009): Don't Panic: Douglas Adams & The Hitchhiker's Guide to the Galaxy.
  Guy Adams が、30章と'appendix ii' を加筆、31〜37章を追加

Simpson, MJ. Hitchhiker: A Biography of Douglas Adams. London: Hodder & Stoughton, 2003.

 ダグラス・アダムスの非公式伝記本。これまで語られてきたアダムスにまつわる有名な「伝説」の多くが、実は事実に反していたことが、綿密な調査の末に遠慮なく暴かれている。アメリカ版ハードカバーには、ニール・ゲイマン序文を寄せた。
 なお、2005年4月1日に改訂版が、アメリカの出版社Justin, Charles & Co からペーパーバックで出版され、こちらにはジョン・ロイドが序文を寄せている。

Webb, Nick. Wish you were here: the Official Biography of Douglas Adams. London: Headline, 2003.

 ダグラス・アダムスの公式伝記本。著者のニック・ウェブは、元パン・ブックスの編集者で、小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』を担当した。「公式」と銘打たれているだけあって、アダムスの近親者も積極的に協力されたようで、アダムスの家系・家族の詳細が記述されている。

Robetts, Jem. The Frood: The Authorised and Very Official History of Douglas Adams & The Hitchhiker's Guide to the Galaxy. London: Preface Publishing, 2014.

 ダグラス・アダムスの公式伝記本。著者のジェム・ロバーツは、過去にテレビのコメディ・シリーズ『ブラック・アダー』の解説本を手掛けたこともある。アダムスの近親者も積極的に協力されたようで、献辞に は"For Janet, Sue, Jane, James and Polly" と書かれている。これまで発表されたことのない『銀河ヒッチハイク・ガイド』の草稿等も収録。

Davies, Kevin Jon, ed. 42: The Wildly Improbable Ideas of Douglas Adams. London: Unbound, 2023. new!

 ダグラス・アダムスのアーカイブから遺稿等を集めて編集し、1冊の本にまとめたもの。クラウドファンディングで資金を集めて出版されたが、2023年8月23日に発売されると、2023年9月3日付の「サンデー・タイムズ」でベストセラー1位を記録した。

Life, the Universe, and Douglas Adams 

 ダグラス・アダムスのドキュメンタリー・ビデオ。2002年4月に発売された。

 

〈解説本〉

Simpson, MJ. A Completely and Utterly Unauthorised Guide to Hitchhiker's Guide. Herts: Pocket Essentials, 2001.

 『銀河ヒッチハイク・ガイド』に関するブックレット。『銀河ヒッチハイク・ガイド』以外のアダムスの作品についての説明もある。2005年5月19日に改訂版が出版された。また、それぞれの版にサイモン・ジョーンズ序文を寄せている。

O'Dair, Marcus. The Rough Guide to The Hitchhiker's Guide to the Galaxy. London: Rough Guide, 2009.

 小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』30周年に合わせて2009年10月1日に発売された解説本。「ラフ」というタイトルに似合わず内容はなかなか充実しているので、一読の価値は大いにある。出版元の Rough Guide はペンギン・ブックスの傘下にある出版社で、同年にペンギン・ブックスからオーエン・コルファーによる『銀河ヒッチハイク・ガイド』6作目が発売されたことも関係しているかもしれない。著者のマーカス・オデールはフリーライターで、「ガーディアン」や「インディペンデント」等に寄稿している。

Gill, Peter. 42 - Douglas Adams' Amazingly Accurate Answer to Life, the Universe and Everything. London: Beautiful Books, 2011.

 「生命と宇宙と万物の究極の答」である「42」を徹底検証している。

McGibbon, Andrew. I Was Douglas Adams's Flatmate and Other Encounters with Legends. London: Faber and Faver, 2011.

2005年からBBCのラジオ4で放送された、有名人と意外な形で接点をもった人たちへのインタビュー番組をまとめたもの。かつてアダムスと同居していた、としてインタビューに答えたのは、ジョン・カンター。詳しくはこちらへ

Burke, Jessica & Anthony Burdge, ed. You and 42: The Hitchhiker's Guide to Douglas Adams. Dorset: Who Dares Publishing, 2018.

ダグラス・アダムスや『銀河ヒッチハイク・ガイド』に関して、ファン活動や研究活動をしている人たちのエッセイや論文を集め、アダムスの生涯とその作品を網羅した本。詳しくはこちらへ

 

〈研究論文〉

Van der Colff, Marilette. One is Never Alone with a Rubber Duck: Douglas Adams's Absurd Fictional Universe. Cambridge: Cambridge Scholars Publishing, 2010.

著者 Marilette Van der Colff は、南アフリカにあるノースウェスト大学の嘱託講師。この博士論文の詳細については、こちらへ

Erkenbrecher, Christian. The "Hitchhiker's Guide to the Galaxy" Revisited: Motifs of Science Fiction and Social Criticism. Hamburg: Diplomica Verlag, 2011.

この研究論文の詳細については、こちらへ

Schlegel, Christian. "Religion and atheims in Douglas Adams' Hitchhiker's Guide to the Galaxy". University of Glasgow, Faculty of Divinity, Course: Literary and Artistic Approach to Sacred Texts. Term 1 -2002/03.

このセミナー・ペーパーの詳細については、こちらへ

Kropf, Carl R. "Douglas Adams's "Hitchhiker" Novels as Mock Science Fiction". Science Fiction Studies, Mar., 1988, Vol. 15, No. 1, pp61-70.

この研究露文の詳細については、こちらへ

 

〈評論記事〉

Stableford, Brian. "The Big Sellers, 1: Douglas Adams". Interzone, July-August, 1989. new!

この評論記事の詳細については、こちらへ

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