| Lai, Bali | バリ・ライ |
| Landis, Max | マックス・ランディス |
| Laughlin, Robert B. | ロバート・B・ラフリン |
| Laurie, Hugh | ヒュー・ローリー |
| Leakey, Richard | リチャード・リーキー |
| Lee, Gentry | ジェントリー・リー |
| Leeson, John | ジョン・リーソン |
| Lenska, Rula | ルーラ・レンスカ |
| Ligeti, Gyorgy | ジェルジ・リゲティ |
| Limb, Sue | スー・リム |
| Lloyd, John | ジョン・ロイド |
| Lloyd, Seth | セス・ロイド |
| Lucas, Matt | マット・ルーカス |
イギリスの作家。自身の公式サイトに挙げた「好きな作家」欄には、ロアルド・ダール、スー・タウンゼントに次いでダグラス・アダムスの名前が出ている。
バリ・ライは、これまで主にヤングアダルト系の小説を何冊も執筆しているが、小説とは別に、イギリスの公立図書館にまつわるエッセイを集めたアンソロジー The Library Books (2012)に、"The Magic Threshold" というタイトルのエッセイを寄せた。このエッセイに、ロアルド・ダール、スー・タウンゼント、そしてダグラス・アダムスとの出会いについて、より詳しく書かれている。
簡単に説明すると、本を読む楽しみを最初に教えてくれたのがロアルド・ダール、自分の身の回りのことを書いて立派な小説になると気付かせてくれたのがスー・タウンゼントの『ぼくのヒ・ミ・ツ日記』、次第に学校の図書館に置かれているヤングアダルト小説では物足りなくなってきたが、それでも例外はあって、その中の一冊がダグラス・アダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』だった('I had already grown out of children's books, and the young adult novels I found in my school library weren't anywhere near challenging enough. One or two books made me sit up - S. E Hinton's The Outsiders, Douglas Adams' brilliant Hitchhiker's Guide series, and Bernard Ashley's The Trouble with Donovan Croft come to mind')、とのこと。興味のある方は、是非ご一読あれ。
デビュー作『インド式マリッジブルー』の主人公の少年は、インド移民の子供としてイギリス・レスターで生まれ育つ、というところまでは著者と同じだが、父親に連れられて図書館に行き、子供の頃から本を読むことを勧められて育ったバリ・ライ本人の家庭環境とは大違いで、親が選んだ見知らぬ相手と17歳で強制的に結婚させられそうになる。小説の内容もさりながら、巻末につけられた解説を読むと、日本ではあまり紹介されることのない、現代イギリスにおけるインド系移民を描いた文学・映画・テレビ番組を知ることができて興味深い(サンジーヴ・バスカーの名前も出てくる)。この『インド式マリッジブルー』で、バリ・ライはアンガス図書賞を含むいくつかの賞を受賞し、マルチカルチャー世代の新人作家として注目を集めた。
現在のところ、日本語訳が出ているのは『インド式マリッジブルー』と『おいぼれミック』の2作だけ。後者も、イギリス・レスターを舞台に多文化交流問題を描いたヤングアダルト小説である。
Landis, Max マックス・ランディス 1985.8.3-
アメリカの脚本家・俳優。Netflixで公開中のテレビドラマ「私立探偵ダーク・ジェントリー」の企画・脚本・製作総指揮を務める。
カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ。父親は映画監督のジョン・ランディス、母親はコスチューム・デザイナーのデボラ・ナドールマン。学生時代から脚本を書き始め、映画『クロニクル』(2012年)で一躍脚光を浴びた。その他の映画脚本は、『エージェント・ウルトラ』(2015年)、『ヴィクター・フランケンシュタイン』(2015年)など。父親のジョン・ランディスが監督した映画『ステューピッド/おばかっち地球防衛大作戦』(1996年)や『ブルース・ブラザース2000』(1998年)、『バーク アンド ヘア』(2010年)にもカメオ出演している。
Laughlin, Robert B. ロバート・B・ラフリン 1950.11.1-
アメリカの理論物理学者。現在はスタンフォード大学物理学教授で、1998年にはノーベル物理学賞も受賞した。2005年に出版された著書『物理学の未来』で、そもそも物理学というものは「人間の心が論理に基づいて作り出したものなのか、あるいは観測に基づいた統合の結果として生まれたものなのか」(p.14)について考察しているが、その中で『銀河ヒッチハイク・ガイド』を引用している。
新たな時代が持つ魅力とは、誰でも時々抱く「究極の真実」を探すという衝動と同じものである(略)。
この衝動を最も過激に風刺したのが、ダグラス・アダムス著のSF『銀河ヒッチハイク・ガイド』〔河出文庫〕だ。この物語の中では、ディープソートというコンピュータが七五○万年間必死で動作しつづけ、「生命、宇宙、万物に関する究極の問題」に対する答えを見つけた。コンピュータがはじき出したその答えは、「42」だった。集結した科学者たちはディープソートから、「これが答えだが、その問題は不明だ」と告げられたため、彼らはディープソートに、その問題を見つけるためにもっと大きなコンピュータ、ジ・アースを設計するよう指示した。ジ・アースは組み立てられ、三○億年もの間その問題について考えつづけた。しかし不幸にも、解が得られる五分前に、ジ・アースはヴォゴン人たちに破壊されてしまったのだ。
究極の真実が風刺の対象となりやすいのは、大半の人が、この概念は確かに人生の中心に位置するものの、現実問題としてはほとんどの場合に役に立たないことを知っているからだ。(略)究極の真実という言葉は、車を止めない時に限って駐車場が空いているといったような、よくある出来事を意味することもある。また、他のあらゆるものを生み出すような深遠なる自然の法則を意味することもある。この意味を人生の規則という意味と取り違えたことが、「42」のようなばかげた答えをもたらしたのだ。すなわち、究極の真実を使って自らを導きながらも、それが何ものかを巡って混乱したり意見を衝突させたりするというのは、我々の性分なのである(pp. 269-270)。細かいことを言うと、「その答えは、「42」だった」の箇所に註がついていて、その註には「D. Adams, The Hitchhiker's Guide to the Galaxy (Ballantine Books, New York, 1995). 〔『銀河ヒッチハイク・ガイド』河出文庫〕この本はもともと1975年に出版され、BBCのテレビシリーズになった」(p. 298)と書かれている。Ballantine Books版のペーパーバックが発売されたのは1995年だが、小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』が最初に発売されたのは1979年。これは、原著の間違いがそのまま翻訳本に引き写されたと思われる。
Laurie, Hugh ヒュー・ローリー 1959.6.11-
イギリス人俳優。アダムスから、『銀河ヒッチハイク・ガイド』を映画化する時には、歳を取りすぎてしまったサイモン・ジョーンズの代わりにアーサー・デント役をやるならこの人、と指名されたことがある。
オックスフォード生まれ。父親は1948年ロンドン・オリンピックにおけるボート競技の金メダリスト。有名なパブリック・スクール、イートン校に入学、父親同様ボートの選手として活躍し、1977年にはジュニア部門の英国代表にも選ばれ、世界第4位となった。また、イートン校では寮長も務めている。1978年ケンブリッジ大学に進学し、ボート部員として活躍するのみならず、フットライツにも所属、体をこわしてボートを止めてからはフットライツの活動に専念することになった。大学1年の時のガールフレンドだったエマ・トンプソンを通じてスティーヴン・フライと知り合い、彼をフットライツに勧誘している。卒業後もフライと組んで多くのコメディ番組に出演し、ジョン・ロイド製作のコメディ『ブラックアダー』シリーズの3作目では、レギュラーを務めた。また、1996年には、The Gun Seller というスリラー小説も出版している。
その一方、映画『プレンティ』(1985年)でスクリーンデビューし、以後、多くの映画に出演している。が、何と言っても特筆すべきは2004年から始まったアメリカのテレビ・ドラマ『Dr.HOUSE ードクター・ハウスー』だろう。このドラマで、ヒュー・ローリーは主人公の医師グレゴリー・ハウス役を務め、2006年と2007年の二度に亘ってゴールデン・グローブ賞テレビ・ドラマ部門主演男優賞を受賞した。2010年現在、アメリカではシーズン6が放送中だが、2006年4月11日に放送されたシーズン2の第17話「ポーカーフェイス」("All In")には、ハウスが42は自分のラッキーナンバーだと言う場面が出てくる。断定はできないものの、ハウスが『銀河ヒッチハイク・ガイド』のファンであることをほのめかしている可能性は高い。
ヒュー・ローリー主な出演作品は以下の通り。Plenty (1985) 『プレンティ』
Strapless (1989) 『ストラップレス』
Peter's Friends (1992) 『ピーターズ・フレンド』
Sense and Sensibility (1995) 『いつか晴れた日に』
101 Dalmatians (1996) 『101』
The Borrowers (1997) 『ボロワーズ/床下の小さな住人たち』
Man in the Iron Mask (1998) 『仮面の男』
Cousin Bette (1998) 『従妹ベット』
Stuart Little (1999) 『スチュアート・リトル』
Girl from Rio (2000) 『ガール・フロム・リオ』
Stuart Little 2 (2002) 『スチュアート・リトル2』
Flight of Phoenix (2004) 『フライト・オブ・フェニックス』
Street KIngs (2008) 『フェイク シティ ある男のルール』
Tomorrowland (2015) 『トゥモローランド』
Leakey, Richard リチャード・リーキー 1944.12.19-
ケニアの考古学者・環境保護活動家。2007年3月15日(木)開催の、第5回ダグラス・アダムス記念講演の講演者に選ばれた。演題は、"Wildlife Management in East Africa - Is there a future?"。
ナイロビ生まれ。高名な人類学者にしてケニア国立博物館長ルイス・リーキーと、やはり人類学者メアリー・ルーキーの次男として生まれ、子供の頃から発掘調査に同行していた。1965年には、25歳にしてケニア国立博物館長に就任。同じ頃、ツルカナ湖畔での猿人の化石発掘等で世界の注目を集め、その発掘の模様を書いたロジャー・ルウィンとの共著はベストセラーにもなった。さらに、1984年には160万年前の人類の化石を発掘している。1990年からは、ケニア野生生物局局長を経てケニア野生生物公社総裁に就任。アフリカゾウを中心に、ケニアの野生動物の保護活動に務めたが、1993年には仕事中のヘリコプター事故に遭い、両足を切断した。
主な著作は以下の通り(* はロジャー・ルウィンとの共著、** はバージニア・モレルとの共著)。Origins (1977)* 『オリジン:ヒトはどこから来てどこへ行くか』 平凡社 1980年
People of the Lake: Mankind and its Beginnings (1978)* 『ヒトはどうして人間になったか』 岩波書店 1981年
Making of Mankind (1981) 『人類の起源』 講談社 1985年
One Life: An Autobiography (1983)
Origins Reconsidered (1992)*
The Origin of Humankind (1994) 『ヒトはいつから人間になったか』 草思社 1996年
The Sixth Extinction (1995)*
Wildlife Wars: My Fight to Save Africa's Natural Treasures (2001)** 『アフリカゾウを護る闘い ケニア野生生物公社総裁日記』 コモンズ 2005年
NASA探査プロジェクトのメンバーであり、SF作家としての顔も持つ。1993年にアーサー・C・クラークとの共著で出版した『宇宙のランデブー4』には、『銀河ヒッチハイク・ガイド』にまつわるジョークが入っていた。
主な著作は、『宇宙のランデブー』シリーズの他に、マイクル・ホワイトとの共著『22世紀から回顧する21世紀』など。また、カール・セーガンのテレビ・ドキュメンタリー番組『コスモス』(1980年)の製作にも深くかかわっていた。
イギリスの俳優。BBCの多くの番組でアフレコを務め、テレビ・ドラマ『ドクター・フー』では犬型ロボットのK9の声を担当している。残念ながら、アダムスが『ドクター・フー』の脚本を担当していたエピソードでは、微妙なタイミングですれ違いになってしまったが、放送されずじまいに終わったエピソード、Shada がオーディオ・ドラマ化された時にはK9役を務めた。
Lenska, Rula ルーラ・レンスカ 1947.9.30-
イギリスの女優。ラジオ・ドラマ『銀河ヒッチハイク・ガイド』の第二シリーズでは Lintilla という役を、第5シリーズでは鳥の声を務めた。
イギリスのテレビ・ドラマを中心に活躍し、『イーストエンダーズ』をはじめ数多くのテレビ・ドラマ・シリーズに出演している。
Ligeti, Gyorgy ジェルジ・リゲティ 1923.5.28-2006.6.12
クラシックの前衛作曲家。ルーマニア領トゥルナヴェニに生まれ、ハンガリー・ブダペストの音楽院に学ぶ。1956年のハンガリー動乱の際にウィーンに亡命して、オーストリアの市民権を得た。『2001年宇宙の旅』を始めとするスタンリー・キューブリックの映画作品は、彼の音楽がよく使われている。
ラジオ・ドラマ『銀河ヒッチハイク・ガイド』でも、BGMとしてリゲティの曲が使用された。第1話のラストでは「ヴォルミナ」が、第3話でスラーティバートファーストがアーサーを惑星マグラシアの中心に連れていくシーンでは「レクイエム」が流れている。
実際、アダムスはリゲティの相当なファンだったようで、学生時代には実父の運転する車に乗ってウィーンに行き、リゲティの講義を受けたこともあった。ドイツ語はほとんど理解できなかったにもかかわらず、である。それでも、それなりに得るところはあったらしい(Webb, p. 168)。また、1994年には、無人島に持っていくCDを選ぶというラジオ番組で、その中の1枚にリゲティの「レクイエム」を挙げている(Hitchhiker, p. 234)。
イギリスのコメディ作家・小説家。アダムスはケンブリッジ大学の学生だった時に、彼女が演出する舞台に立ったことがある。
ハートフォードシャー・ヒッチャー生まれ。1965年にケンブリッジ大学に進学、英文学を専攻した。1970年に卒業後もエリザベス朝の叙情詩の研究者としてケンブリッジに在籍し、1972年に教師の資格を取得、1973年から教師として働いていたが、1980年頃から執筆を始め、1984年に最初の小説 Up the Garden Path を出版した。小説だけでなく、ラジオのコメディやドキュメンタリー、ガーディアン紙のコラム、ヤングアダルト小説など(2004年に出版した Girl, 15, Charming but Insane は、『オトメノナヤミ』のタイトルで翻訳され、講談社文庫より出版されている)、幅広いジャンルで活動している。プレゼンターとして、ラジオ番組への出演も多い。
1971年、アダムスは念願のケンブリッジ大学への進学を果たしたものの、目的だったフットライツには入り損ねていた。そのため、代わりに ADC (Amateur Dramatic Club)に参加し、ここでスー・リムが演出する『セツアンの善人』に出演することになる。アダムスがケンブリッジの舞台に立つのが初めてなら、リムも演出の仕事をするのはこれが初めてだったらしい。リムがアダムスを役者として起用したのはすごく背が高かったからで、労働者を抑圧する象徴としてぴったりだと思ったとのこと。ただし、アダムス本人については、いたって愛想がよくて楽しい人、というのが第一印象だったとか(Hitchhiker, p. 33)。
翌1972年も、アダムスは彼女が手掛けた ADC の公演『恋がたき』に Sir Lucius O' Trigger 役で出演している。が、芝居中に笑いをこらえられなくなり、それが他の役者にも伝染して、舞台を台無しにしたこともあったようだ。リムいわく、「彼は物事をシリアスに受けとめることができなくて、おまけに彼のユーモアのセンスはものすごく伝染性が強いの。思うに、演技は彼の本分じゃないのよ」(同、p. 36)。とは言え、同年11月にリムはアダムスをフットライツのスモーカーに出演するよう誘っているくらいだから、アダムスのユーモアのセンスは高く評価していたに違いない。
その後、1980年に『銀河ヒッチハイク・ガイド』をレインボー・シアターで舞台化した際に、アダムスは演出家ケン・キャンベルのてんやわんや状態をフォローするため、急遽スー・リムに俳優の演技指導の仕事を依頼している。この仕事を得たことについて、リムはアダムスに感謝しているが、アダムスからリムの連絡先を教えてくれという電話を午前2時に受けたジェフリー・パーキンスにとってはとんだ災難だった(同、pp. 164-165)。
Lloyd, John ジョン・ロイド 1951.9.30-
BBCのプロデューサー。
アダムスと同時期にケンブリッジ大学のフットライツに参加、ただし学生時代は互いに面識がある程度の付き合いだった。大学卒業後は直ちにBBCに入社し、ラジオのプロデューサーとしてキャリアを積む。アダムスとは大学卒業後に意気投合し、一時はフラットを共有する仲となった。
そして、ロイドがアダムスをサイモン・ブレットに紹介したことがきっかけで、ラジオ・ドラマ『銀河ヒッチハイク・ガイド』の企画は誕生する。また、脚本執筆に行き詰まったアダムスの要請を受けてラジオ・ドラマ第5・6話を共同執筆することになるが、このことは『銀河ヒッチハイク・ガイド』が小説化されることが決まった際にその著作権をめぐる争いの元ともなった。ただし、その争いはロイドが小説の前金1500ポンドの半額を受け取ることで和解する。ただ、それから30年以上の年月が流れた2013年、「SF MASTERWORKS」の一冊として発売された『宇宙クリケット大戦争』に寄せた序文の中で、ロイドがわざわざ「私は彼のことを悪く思ってなどいない("I certainly do not think ill of him.")」と書いたのは、今では広く知れ渡っているこの一件を踏まえてのことかもしれない。
アダムスとの共同作品は他にThe Meaning of Liff, The Deeper Meaning of Liff が挙げられるが、アダムスの死後である2013年にはジョン・カンターとの共著でさらなる続編 Afterliff を出版した。また、アダムスが1978年5月から約半年間だけBBCラジオ4のプロデューサーを務めた時には、一緒にクリスマス特別番組、「ブラック・シンデレラ2」を製作している。
その他の主なプロデュース作品は、Not the Nine O'Clock News (1979-1982)
The Black Adder (1983) 『ブラックアダー 大英帝国一のアホ』
Spitting Image (1984-1996)
Blackadder 2 (1986) 『ブラックアダー 15代目も変わり者』
Blackadder the Third (1987) 『ワル知恵執事のブラックアダー』
Blackadder Goes Forth (1989) 『陸軍大尉になったブラックアダー』また、2003年から2007年にかけて、スティーヴン・フライがホスト役で出演しているテレビのクイズ・バラエディ番組 QI のプロデューサーも務めている。2011年には、CBE(大英勲章第3位)を授与された。
マサチューセッツ工科大学機械工学教授。専門は量子計算で、量子コンピュータの研究で知られる。そのロイドが2006年に初めて一般科学書として出版した『宇宙をプログラムする宇宙』には、宇宙の秩序と多様性を説明する例として、『ハムレット』をタイプするサルの話が登場する。
ボレルは、一○○万匹のサル(“タイプライターザル”)が一日一○時間タイプライターを叩いているさまを思い浮かべた。そして、一年のうちにサルが紡ぎ出す文章には、世界最大の図書館に所蔵されているすべての文章が含まれることになるのではないかと指摘した(彼は、そうなる確率が無限に低いことを無視した)。
(略)
タイプライターを叩くサルは、アイザック・アシモフやダグラス・アダムスなどのSFにも姿を現すようになった。サルがタイピングする物語の出だしは決まって、一人の研究者がサルのチームを集め、サルたちにキーの叩き方を教える場面から始まる。そして、一匹のサルが新しい紙を挿入し、「『ハムレット』第一幕、第一場……」をタイプしはじめるのである。(pp. 78-79)ロイドが指摘しているのは、勿論、『銀河ヒッチハイク・ガイド』でアーサーとフォードが宇宙船〈黄金の心〉号に救出されたシーンのことである。
アーサーは顔をあげた。
「フォード、ドアの外に無限の数のサルがいて、『ハムレット』の台本を仕上げたからぼくらとその話がしたいと言ってるんだけど」(安原訳『銀河ヒッチハイク・ガイド』、p. 115)
Lucas, Matt マット・ルーカス 1974.3.5-
イギリスのコメディアン・俳優。エミー賞も受賞したテレビの人気コメディ番組『リトル・ブリテン』シリーズ(2004年〜)では、デヴィッド・ウォリアムズと共同で脚本と出演をこなしている。その他の作品としては、やはりデヴィッド・ウォリアムズとの脚本・出演による『マットとデヴィッド ボクたち空港なう。』(2010年)がある。その他に、俳優として数多くのテレビドラマや映画で活躍している。
2006年11月26日に放送されたBBCラジオ4の Desert Island Discs という番組で、無人島に持っていく1冊の本としてアダムスとジョン・ロイドの共著 The Deeper Meaning of Liff を挙げた。