以下は、2013年に Faber and Faber から出版された Afterliff: The New Dictionary of ThingsThere should be words For につけられた、ジョン・ロイドによる序文の抄訳である。ただし、訳したのが素人の私なので、少なからぬ誤訳を含んでいる可能性が高い。そのため、この訳はあくまで参考程度にとどめて、全貌をきちんと知りたい方は、必ずオリジナルにあたってくださるようお願いする。
AFORWORD by John Lloyd
ダグラス・アダムスと私が The Meaning of Liff と、その4年後に The Deeper Meaning of Liff を書いてから、ちょうど30年になる。
どちらの本もまだ絶版になっていないということは、このアイディアが単純明解で、かつ広く世間にアピールしたことの証だろう――我々の身の周りでよくある事柄なのになぜかきちんと命名されていないので、とりあえず道路標識に書かれているものを再利用して問題を解決すべし。
これは誰でもできるゲームであり、実際、多くの人が参加している。ダグラスが49歳というありえない若さで悲劇的な死を遂げてからも、彼の友人や崇拝者たちは、新しい「liff」を生み出しては、彼が残した遺産をより豊かなものにしてきた。彼のウェブサイト h2g2.comや、私のウェブサイトqi.com、ツイッターアカウントの@ThatsLIffなどで、長年に亘りさまざまなコンテストが彼の根気強い弟ジェイムズによって運営され、集まったお金はダグラスが大好きだったチャリティ団体 Save the Rhino に寄付された。
2013年前半、元の作品を祝してBBCのラジオ4が Meaning of Liff at 30 という番組を放送した。リスナーに応募してもらって、liffにまた新しい作品を追加することになった。道路標識の上で散らかしているだけの言葉を名無しの文物に付けて有効活用しないのはもったいない、というなら、こういった一般の方々の創造性を活用しないのも、もったいないではないか。この本は、そう考えた結果である。関わってくれた多くの方々のお名前も、(大いなる感謝をこめて)巻末の謝辞に入れさせていただいた。
とは言え、Afterliff に一番貢献してくれたのは、共同執筆者のジョン・カンターである。勿論、知性でも独創性でも愉快な天才っぷりにおいても、ダグラスの代わりを務められる者などいないが、少なくともLiff の執筆に関しては、ジョンはかなり肉薄していた。
私たち3人は大学時代からの友人で、その友情は2001年にダグラスが心臓発作で急死するまで続いていた。1970年代には、私もジョンも下積みの日々だったが、それぞれ別々の時期にダグラスとフラットを共有していたし、1980年代には、ジョンは The Deeper Meaning of Liff の3人目の執筆者だった(申し訳ないことに彼の名前は記載されていなかったけれど)。彼はあっという間にこのジャンルの達人となり、いくつものすぐれた文章を作り出してくれた。The Deeper の裏表紙に書かれた6つの liff のうち、実に3つが彼の作品である。彼があの本にどれだけ貢献してくれたかは計り知れないが、それを言うならこの本についても同じことだ。
私たちがこの本を書いていた時と同じように、みなさんにも楽しんでもらえますように。そしてダグラス、今はどの異次元宇宙にいるのかは分からないけれど、これだけは言わせてほしい。「さようなら、そしてたくさんの liff をありがとう」ジョン・ロイド
ハマースミス、2013年5月