関連人物一覧  -T-

Tamm, Mary マリー・タム
Tennant, David デイヴィッド・テナント
Thompson, Hunter S. ハンター・S・トンプソン


Tamm, Mary  マリー・タム 1950.3.22-2012.7.26

 イギリスの女優。1978年、アダムスが脚本を書いた『ドクター・フー』の 'The Pirate Planet' にドクターの助手のロマーナ役で出演した。また、アダムスが脚本編集者を務めた 'The Armageddon Factor' にも同じ役で出演しているが、このエピソードを最後に番組を降板、続く 'The Destiny of the Daleks' 以降、ロマーナ役はララ・ウォードが引き継ぐことになった。なお、2007年に発売された 'The Pirate Planet' のDVDでは、マリー・タムはオーディオコメンタリーに参加しており、また特典映像 'Parrot Fashion' にも出演している。
 ヨークシャー州デューズベリー生まれ。王立演劇学校(RADA)を卒業し、現在までに数多くのテレビ・ドラマに出演している。


Tennant, David  デイヴィッド・テナント 1971.4.18-

 イギリスの俳優。テレビ・ドラマ『ドクター・フー』の10代目ドクターとして2005年から出演しているが、彼が初めて活躍することになるエピソード「クリスマスの侵略」において、パジャマとガウン姿の自分を指して "just Arthur Dent" と形容している。だからという訳でもないのだろうが、彼の主演した『ドクター・フー』のエピソードには、 '42''Voyage of the Damned' など、『銀河ヒッチハイク・ガイド』を意識して書かれたものがある。ついでに言うと、テナントは2004年に、クリストファー・ブルックマイアの小説で、フォード・プリーフェクトなジャーナリストが活躍する『殺し屋の厄日』の朗読CDも手掛けている。
 テナントはスコットランド生まれ。子供の頃から役者を志し、ロイヤル・スコティッシュ・アカデミー・オブ・ミュージック・アンド・ドラマで学んだ。卒業後は、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの舞台でたびたび主演を務め、高く評価された。2013年から2014年にかけて彼がロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで主演した『リチャード二世』の舞台のチケットは、RSC史上最速でチケットが完売、日本を含め世界各地の映画館でスクリーン上映された。その一方、多くのテレビ・ドラマや映画にも出演している。主な出演映画は、『GO! GO! L.A.』(1989年)、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005年)、『聖トリニアンズ女学院2 不良女子校生たちの最悪ミッション!パイレーツの秘宝をねらえ!!』(2009年)、『フライトナイト/恐怖の夜』(2011年)『ユナイテッド ミュンヘンの悲劇』(2011年)『海賊じいちゃんの贈りもの』(2014年)など。

 


Thompson, Hunter S.  ハンター・S・トンプソン 1937.7.18-2005.2.20

 アメリカの作家・ジャーナリスト。アダムスは、読んで笑える作家の一人としてP・G・ウッドハウスやジェーン・オースティンらと共にトンプソンの名前も挙げていた。
 不安定な家庭環境で育ち、若い頃は窃盗などの罪で逮捕されたことも。そのため1956年にアメリカ空軍に入隊させられ、ここでスポーツ記者として基地の新聞に寄稿したことがジャーナリストとしての出発点となった。1958年に除隊後、約2年間中南米を旅してアメリカのさまざまな雑誌に寄稿していたが、1960年代アメリカのカウンターカルチャー勃興時に、西海岸のモーターサイクル・ギャング団に自ら18ヶ月潜入して書き上げた『ヘルズエンジェルズ』で一躍注目を集める。トム・ウルフが提唱する「ニュー・ジャーナリズム」の旗手の一人とされるが、トンプソン本人はあくまで自身のスタイルを「ゴンゾー・ジャーナリズム」(「ゴンゾー」はイタリア語でならず者の意味)と名付け、独自の道を歩んでいった。トンプソンいわく、「ウルフの才能には感嘆するけど、彼と俺とはまったくスタイルが違うんだ。彼は何かが起きた後から出かけていって、取材をし、あたかもそこに自分がいたかのように事件を再構築するけど、俺は何かが起きる現場にいて、その現場の真っ只中にいることから、書くための興味とアドレナリンを分泌するんだ」(『ラスベガスをやっつけろ!』、p. 280)。アメリカでは最左翼の政治評論家としての評価も高く、1972年の民主党大会に密着して書いた Fear and Loathing: On the Campaign Trail '72 は、後の政治ジャーナリズムにさまざまな影響を与えたとも言われている。1972年以降、取材や講演会で全米を回っている時を除けばコロラド州アスペンという山奥の牧場で暮らしていたが、2005年2月に銃で頭を撃って自殺を図った。享年67歳。かつてトンプソンが「ラスペガスをやっつけろ!」を連載した雑誌『ローリングストーン』では3月24日号で彼の追悼特集を行い、ジミー・カーター、パット・ブキャナンといった政治家から、ジャック・ニコルソン、ジョニー・デップ(デップは、テリー・ギリアム監督の映画『ラスベガスをやっつけろ!』でトンプソン本人役を演じるため、4ヶ月間彼の家で同居していたことがある)らも寄稿している。
 トンプソンの主な著作は以下の通り。

Hells Angels: A Strange and Terrible Saga (1966) 『ヘルズエンジェルズ』 筑摩書房/『ヘルズ・エンジェルズ―地獄の天使たち 異様で恐ろしいサガ』 国書刊行会 2010年/『ヘルズエンジェルズ』 リトルモア 2011年
Fear and Loathing in Las Vegas: A Savage Journey to the Heart of the American Dream. (1971) 『ラスベガスをやっつけろ!』 筑摩書房 1989年
Fear and Loathing: On the Campaign Trail '72. (1973)
The Great Shark Hunt: Strange Tales from a Strange Time. (1979)
Generation of Swine: Tales of Shame and Degradation in the '80s. (1988) 『アメリカ・コラムニスト全集11 天国はもう満員』 東京書籍 1993年
Songs of the Doomed: More Notes on the Death of the American Dream. (1990) 『アメリカン・ドリームの終焉』 講談社 1993年
Silk Road (1990)
Screwjack and Other Stories. (1991)
Better Than Sex: Confessions of a Political Junkie. (1994)
The Proud Highway: The Saga of a Desperate Southern Gentleman 1955-1967. (1997)
The Rum Diary (1998) 『ラム・ダイアリー』 朝日新聞出版 2012年
Kingdom of Fear: Loathsome Secrets of a Star-Crossed Child in the Final Days of the American Century. (2003)
Hey Rube: Blood Sport, the Bush Doctrine, and the Downward Spiral of Dumbness Modern History from the Sports Desk. (2004)

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