ブリティッシュ・ライブラリー
Douglas Adams: The Man and his Galaxy
ブリティッシュ・ライブラリーは、2022年3月11日、アダムスの生誕70周年を機に"Douglas Adams: The Man and his Galaxy" というオンラインイベントを開催した。と言っても、その内容は、2020年3月8日に開催された The Hitchhiker's Guide to the Galaxy at 42! というイベントの一環で行われた公開インタビューの模様を、48時間限定でネット配信するというもの。料金は5ポンド、ただしブリティッシュ・ライブラリーのメンバーは無料。残念ながら英語字幕は付いておらず、私が聴き取れた範囲での概略は以下の通りである。
参加者
ジョン・ロイド
ダーク・マッグス
ジェイムズ・スリフト(アダムスの種違いの弟)
ホスト役/ディック・フィディ(英国映画協会のテレビ・コンサルタント)ジョン・ロイド:自分はいわばコメディ界の清掃係。プロデューサーという立場で、天才たちの仕事を整理したりまとめたりするのが得意で、自分の名前が表に出なくても気にならない。小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』の執筆はアダムス一人でやることになったけれど、せっかく予約したので一緒にギリシャのコルフ島に一ヶ月滞在した。この間にアダムスが書いたノベライズの原稿はあまりにカート・ヴォネガットすぎるということで、ロンドンに戻ってから一から書き直すことに。でも、コルフ島にいた時の言葉遊びが元で後に Meaning of Liff が 出せたから、そういう意味では全くの無駄にはならなかった。
(ジェイムズ・スリフトの、アダムスは物の見方が他の人と全然違う、という発言を受けて)フットライツのオーディションの時のアダムスは、あまりに他の人と変わりすぎていたため、みんな全くついていけなかった。
(ジェイムズ・スリフトの、リチャード・ドーキンスとの出会いでアダムスが環境問題に関心を持った、という発言を受けて)自然保護に関心を持つようになったのはいいけど、でも無神論に突っ走ったのはいただけない。
(ダーク・マッグスの、小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』の後半3部作でやたらと神について言及されている、との発言を受けて)無神論者のほうがよほど神に関心を持っている。ダーク・マッグス:『銀河ヒッチハイク・ガイド』ツアーをやったとき、往年のファンが自分の子供を連れて見にきてくれて、アダムスを知っている親だけでなく、何も知らない子供も一緒に笑ってくれた。純粋に内容そのものが、今の子供たちにも受け入れられる様を目の当たりにすることができてよかった。アダムスの母親がきてくれたこともあって、自分の息子の作品でみんながこんなにおもしろがるのだということを知ってもらえたのは何よりだった。