『銀河ヒッチハイク・ガイド』とは?


 1978年3月8日、イギリスBBCラジオ4で、全く無名の新人脚本家によるラジオ・ドラマ・シリーズの放送が始まった。
 一般受けしないと言われたSFという題材の上、製作過程の都合で何の前宣伝もされなかったこの番組は、口コミだけでその噂が広がり、最終話が放送される頃には若者を中心に全英で熱狂的に支持されていた。
 翌年、ラジオ・ドラマの脚本家自身の手で書かれたノベライゼーションが発売されるや否や、一躍ベストセラーリストの第一位に輝く。その後、計5冊の小説が書かれ、舞台、テレビ・ドラマ、コンピュータ・ゲームまで製作され、2005年にはハリウッドで映画化された。

 ストーリーをかいつまんで説明すると、

地球は亜空間高速バイパスを造るためにあっさり破壊された。主人公アーサー・デントは、彼の友人フォード・プリーフェクトが実はペテルギウス出身の宇宙人だったため、彼に助けられて地球のただ一人の生き残りとなる。フォードは『銀河ヒッチハイク・ガイド』という本の遊軍記者として、地球の取材をしていたのだ。こうしてアーサーはフォードともども時空を超えて宇宙をヒッチハイクする羽目になり、「何が起こっているのかさっぱり把握できないまま、次から次へととんでもない災難を渡っていく」。

 以上が、『銀河ヒッチハイク・ガイド』の概要である。(なお、複数のメディアにわたる複雑な『ガイド』の歴史については、作者ダグラス・アダムス自身が書いたエッセイ"A Guide to the Guide." に詳しい。)



 最初のラジオ・ドラマの放送から、約30年もの時が流れた。
 SFで、お笑い。これ以上はないというくらい、低俗な組み合わせ。たとえ一時の人気を攫ったとしても、たちまち読み捨てられ忘れ去られる類のパルプ・フィクションの山の中で、『銀河ヒッチハイク・ガイド』の、何がこんなにも多くの人を魅了したのだろう。言い換えれば、何が「SFなんか大嫌い」な私をも虜にしたのだろう。

 ということを私なりに整理したのが、次の『銀河ヒッチハイク・ガイド』考である。
(今日までこんなことを考えている私は、かなりのヒマ人に違いない。)

Top に戻る