2004年7月20日午後5時、アントニオ・ガデス氏が、スペイン・マドリードの病院にて逝去しました。享年67歳でした。

 2001年の2月に立ち上げた私のホームページは、アダムスとノルシュテインとガデスの3人についてのものでした。そのわずか3ヶ月後、アダムスは49歳の若さで帰らぬ人となりました。
 そして今日、アダムスに続いてガデスまでも亡くなってしまいました。確かに、ガデスは何年も前から舞台に立つことは辞めていたようですが、彼が手ずから演出や振り写しを行った舞台を観るだけでも、私はそこにガデスの姿を垣間見ることができて幸せでした。どれほど離れていようとも、彼と同じ世界にいて同じ空気を吸って生きている、ただそれだけで私は充分幸せでした。
 ガデスのような舞踊家・演出家と、一つの劇場の中で同じ時間を共有できた、その幸運を感謝しつつも、でも今はまだ、その機会はもう二度とないのだという事実にうちのめされるばかりです。

 次のページ以降の内容は、ガデスが存命であることを前提として書かれています。遠くないうちにそれらを書き直さねばならないとは思っていますが、どうかしばらくの間ご容赦ください。

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