ゆっくり、力を抜いて

 


■ ドライバーショット

若い男性で、ものすごいスピードでドライバーの素振りをする人がいます。

それはもう、ニューヨーク・ヤンキースの松井のバットスイング並みのスピードです。

が、本番のショットをの行方を見ると、あまり真っ直ぐに飛ぶことは少ないようですね。

 

ドライバーショットが青空に吸い込まれるように遥か彼方にボールが飛んでいくのを見るのは、何ともいえない気持ちよさがあり、これもゴルフの醍醐味のひとつであるのは事実です。

ただ、次に打てるところにボールがあるというのが気持ちよさの条件でもあります。

 

ゴルフはボールが遠くに飛べば、それはそれで有利に違いないのですが、ドライバーショットが180ヤードしか飛ばなくても、ショットの正確さがあれば70台で回れます。

ゴルフは槍投げや円盤投げのように遠くに飛ばすことを競う競技ではありません。いかに少ない打数でプレーできるかを競う競技なのですから、ミスを少なくするという方向にエネルギーを使った方がいいのではと思います。

 

フィニッシュで3秒以上立っていられない人は、明らかに振りすぎ、力の入れすぎです。

立っていられないということは、ボールの弾道も安定していないということです。

 

■ タイミング

ゴルファーの9割はスライサーというのを聞いたことがあります。

こういうのって、子供の頃の野球やソフトボールの影響なのかなと思うことがあります。野球のバッティングのようにクラブを振ると、思いっきりフェースが開きますからね。

 

スライスする原因としては、「先に行こうとする体」と「遅れてくるクラブ」のタイミングのずれというのがあります。そして、もうひとつは、「力の入れすぎ」じゃないかと思います。

トップにクラブが上がったかと思うと、「ターッ」という気合いとともに力をいれて下ろしてくる人がいますが、これではナイスショットは望めません。

 

ヘッドスピードが最大になるのは、インパクトからフォローの間だけでいいのです。その間だけヘッドスピードを上げるためには、ダウンスイング開始時のスピードは逆に遅い方がいいのです。トップからの下ろし始めは、自然落下し始めるぐらいのスピードで、「こんなに遅くて大丈夫だろうか?」という位でちょうどいいです。

 

感覚としては、ボーリングの投球フォームにも通じるものがあります。ボーリングのボールをを後ろに引いて、いざ投げようとするときには、ゆったりした等加速度的な運動をします。「投げる」というよりは、どちらかというと「下ろす」動きです。

 

タイミングについては、磯釣りの遠投の動きにも似ています。ゆっくりとした動きの中で、竿のしなり具合や重りの位置を感じ、それに合わせて竿を振っていきます。竿を振るスピードが速くても遅くても、重りは遠くに飛びません。これも等加速度的な滑らかな加速が重要です。

 

ボールを飛ばすのはゴルフクラブに任せましょう。プレーヤーは、力を抜いてタイミングを合わせることに集中します。ゆったり振っても結果的にはその方がボールが飛びますよ。間違いなく。

 

■ アイアンで狙う

ゴルフはダーツやアーチェリーのように、正確に的を狙うターゲットスポーツです。アイアンでグリーンを狙うのであれば、そんなに力は要らないはずなのですが、なぜかこれまた力が入っている人がいます。

 

だいたい70%ぐらいの力加減で振ろうとすれば、実際には80〜90%の力加減になるので、それぐらいでちょうどいいと思います。この力加減で振ってもそれほど距離は落ちませんよ。

 

ただし、気をつけなければいけないことがあります。

私もよくスランプに陥る罠があるのですが、力を抜いて振ろうとすると、テークバックでの上体の捻れが少なくなり、それが方向性に影響を与えます。

 

力を抜くのはダウンスイングだけだと考えてください。テークバックは捻れるだけ捻って、思い切って振り抜いていくことが大切です。テークバックで腕はなるべく曲げないようにすれば、オーバースイングにならず軌道も安定します。

ショートアイアンについては、すべてスリークオーター・スイングで十分です。ショートアイアンは狙うクラブであって、飛ばすクラブではありません。

 

■ アプローチもゆっくり

バンカー越えのアプローチや難しいライだと、ついつい打つタイミングが早くなってしまいます。早く打つとミスショットの確率が高くなるだけで、良いことはありません。

 

中島常幸プロがテレビ番組の中で言っていましたが、「アプローチは大型旅客機が着陸するようなイメージで、ゆっくり振ること」だそうです。

ボールが転がっていくぐらいのスピードで振りなさいということでした。

 

また、バンカーからのショットなども苦手意識からか、打ち急いでしまうことがあります。

バンカーショットは速いスイングをしようが遅いスイングをしようが、ちゃんと振り抜いていけるのであれば関係ありません。

こんな時は、「せっかく、バンカーに入ったんだ。砂の感触でも楽しむか」というぐらいに考えて打つといいようです。

 

■ パットもショットも同じリズム

プロ選手のドライバーショットとパットの所要時間がまったく同じというのはよく聞く話です。

ドライバーショットの時間を考えると、パットはちょっと速く打ってしまっているような気もします。パットに関しても、ダウンスイングの最初は、重力に任せるようなゆったりしたスピードが大事なのではないでしょうか。

 

「打つ」のではなく、振り子のように「振る」。

余計な力が入らなければ、距離感も合いやすいはずです。

 

■ 女性の場合

今まで書いてきたことは、基本的に男性についてです。

女性に関しては、当てはまらないケースが多々あります。やたらゆっくり振りすぎている人や、腕がグニャグニャになってメリハリの無いスイングになっている人がいます。

 

その場合は上記の内容を無視して、ブンブン振ってください。

クラブを振ったときに、どうしたら大きな「ビュッ」という音が出るか、何度もトライしてみてください。

力は要りません。体重移動と上体の捻じれによって「ビュッ」という音は出ます。

 

ブンブン振っているうちに、いろいろ弊害も出てきますので、その際に初めて「ゆっくり振る」を考えてもいいかもしれません。