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中部銀次郎の言葉
■ スコアはどこまで良くなるのか
かの中部銀次郎はスコアに関してこんなことを言っています。
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身も蓋もない言い方で結論を出してしまえば、ごくふつうの社会人が四十歳からゴルフを始めて、どれほど練習してもスクラッチ・プレーヤーになる、つまりハンディキャップ0になれることは―ごく例外的な才能の人を除いて―まずないでしょう。片手で数えられるハンディまで上達するのも、難しいかも知れない。何しろ、十代でゴルフを始めて数十年もプレーしていても、いわゆるシングルになれない人も多いのですから。
ですが、ゴルフは易しいのだ―と、わたしは敢えて言います。ラウンドでやっと100を切るぐらいのゴルファーを、シングルにするのは無理にしても、平均して80台でまわれるようには、比較的容易にできる―と思っているのです。
もちろん、毎日、仕事が終わってから練習場に駆けつけろとも言いませんし、どこかのジムに通って基礎体力を鍛えろとも言うつもりはありません。週に一回、週末に練習場に通えば、それで十分。
なぜ、それで十分か?それは、90も切れずに切歯扼腕(せっしやくわん)している人は、90が切れないのはボールを打つ技術のせいではない―と、わたしは思っているからです。技術はいまのままでも、90は切れます。頭を切りかえるだけで、ハーフで3打から5打ぐらいは、スコアを縮めることは可能なのです。
嘘だろう―と言う人がいるかも知れません。が、本当です。ゴルフは、そう難しいものではありません―80そこそこでラウンドできるレベルまでは。(集英社コラム抜粋)
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こう言ってもらえると、少し気が楽になりますね。
私の場合、100を切る前は猪突猛進型、果敢に攻めるゴルフだったような気がします。果敢に攻めるのですが、失敗すると大叩きというような内容でした。それが90を切るぐらいになると、そこそこ飛べばいい、ミスしても大丈夫なところに打てばよいというようなゴルフに変わってきました。
技術的には100を切るぐらいの時とあまり変わっていないと思うのですが、心の持ち方、ホールの攻め方ひとつでスコアは縮まるものだと実感しました。
■ ハンデなりのゴルフ
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レギュレーション。この概念こそが、スコアをまとめる上での最大の敵です。
レギュレーション―つまりパー3なら1オン・2パット、パー4なら2オン・2パット、パー5は3オン・2パットという規定打数のことです。これが、たいていのアマチュア・ゴルファーにとって、スコアを崩す天敵だといって間違いない。
いうまでもなく、レギュレーション通りのゴルフができるなら、その人はスクラッチ・プレーヤー―、ハンディキャップは0のはずです。それができないからこそ、ハンディキャップが5とか、12とか、18とかなのです。が、そういう人たちが、いざゴルフ場でプレーするとなると、無意識のうちにレギュレーション通りのゴルフを目指してしまう。そして、思いもかけない大崩れのゴルフにつながってしまうわけです。
考えてもみてください。例えば440ヤードというような長大なパー4ホールで、ハンディ18の人が2オン・2パットで上がれると思うのが、そもそも間違いでしょう。パー4では、平均して3オンして2パットで上がるからこそ、ハンディが18なんじゃないですか。それを、2オンさせようとするところに、スコアを乱す原因がある。これが諸悪の根源だと思ってください。
ハンディキャップ通りのゴルフを目指す―これが、ゴルフの原点であり、間違いなくスコアを向上させていく最短の近道です。
こういうと、必ず反論がある―そんな消極的な姿勢で、スコアが縮まるはずがないではないか、と。一瞬、正しい意見のようにも聞こえますが、そうではない。力量もわきまえずに力以上のことを試みるのは、積極的とはいわない、無謀というものです。ハンディ18なら90でパー・プレー、この人が目指すべきは88であり、85でしょう。それ以上のスコアを目指せば、必ず無理が出る。無残にスコアを崩します。
一方、ハンディ通りのプレーをつづける努力をしていると、いつしか平均スコアが87となり、84になっていく。当然でしょう。力以上の無理はしていないのですから。結果、この段階で、ハンディはすでに3ないし5は縮まっているのです。
これが、ゴルフで進歩する要諦だといっていい。ハンディキャップにしたがってプレーするのは消極的だ―と考えているかぎり、進歩はありません。
しかし、いまはテレビ時代です。毎週、プロ・ゴルフの中継がある。知らず知らず、プロのレギュレーション通りのゴルフが頭に入ってくる。ここにアマチュア・ゴルファーが錯覚する契機がある。が、それを真似してどうなるというのでしょうか。
まずはハンディ通りのプレーをすること、これが上達の早道だ―とわたしは断言しましょう。みんな、こうして上達していったのです―むろん、わたしも含めて。(集英社コラム抜粋)
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最初にこれを読んだ時、あまりピンときませんでしたが、自分のパーを90に設定して「オールボギーでいいんだ」と思ってプレーするようになってから、肩の力が抜けて、100どころか90も切ってしまいました。スコアカードにOUT36、IN36と書いてあっても、自分のパーはOUT45、IN45です。9ホールでボギー、残り9ホールでダブルボギーを叩いても99のスコアなのですから、無理をする必要はまったくないのです。
そのコースがパー72となっていても、スコア100前後のゴルファーが72でプレーできるわけではありません。100を切れないゴルファーが72で回るゴルフをしようとすると、90で回ろうとするゴルフに比べ明らかにスコアが悪くなります。この原因は「無理をするとリスクが倍以上に増える」ということに尽きるのではないかと思います。
■ 飛距離とスコア
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こういう前提を、もう一度よく理解してください。こういう観点に立つからこそ、最大の飛距離を求めるような愚は避けましょう――と、わたしは口を酸っぱくして言いつづけているのです。
例えば、あなたの飛距離がドライバーの真っ芯を食って230ヤード、スプーンで200ヤードだとしましょうか。だとすれば、420ヤードのパー4ホールは2オンできるか?
これが最大の問題です。届く距離なら乗るはずでしょうか?あなたがスクラッチ・プレイヤーでもないかぎり、答えは「否」です。届く距離なら乗せられる――ことはない。その証拠にあなたは400ヤード以下のパー4ホールでも、2打では乗せられないではないですか。
わたしがもしハンディ18なら、420ヤードのホールではこうします――まず、スプーンで190ヤードも飛べばいいと思ってティショットする。二打目はライ次第ですが、今度は5ウッドで170ヤードぐらいのつもりで打つ。これで、大きなミスがなければ(たぶん、そのクラブでの最大距離を打つつもりはないのでミスも少ないはずです)360ヤードほどは飛んでいるでしょう。そう、残りは60ヤードに過ぎない。ここで三打目をPSのスリー・クオーターで打つか、SWでフルショットするかは、自分がどっちが得意かによります。いずれにしても、この距離ならまずグリーンをはずすことはない。ピンまでは遠くてもグリーンには乗る。これがハンディ18のゴルフなのです。
面白いことに、こういうゴルフをつづけていると、アプローチ・ショットがピン傍に乗ることもある。パーがとれるわけです。
こうしてパーが6ホールで出たりする一方、長いパットを3回かかったりもしますから、トータル87ぐらいで上がるとすると(これが、上がれるのです)そのときわたしはすでに、ハンディ15の域に達している。
いつもながら飛ばそう、届く距離は乗せようと思っているかぎり、こういうことは起こらない――と、わたしは断言します。その証拠は、あなた自身のゴルフの低迷です。(集英社コラム抜粋)
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100を切るゴルフの基本は、パー4であれば「3オン2パット」の5打でボギーです。グリーン周りにバンカーやOBがあり、少しでも不安があるのであれば、迷わず手前に刻んでいくのが大前提です。間違えてはいけないのは、「パーオンを狙いにいって、外したらボギー狙いに変える」ではありません。「最初からしっかり刻んでいってボギーを狙い、キッチリボギーで収める」という考え方が大切です。
が、いざこれを実行するとなると難しいものです。周りのメンバーからは、「あ〜、届かなかったねー」とか、「あらま、短いねー」とか言われるのですから良い気はしません。また、最初に刻むと言えば言ったで、「刻む距離じゃないでしょー」と言われたりします。しかし、スコアを優先するのであれば、わが道を行くという心構えが重要です。果敢にパーオンを狙っていく周りのメンバーは、けっこうグリーン周りのバンカーや林に打ち込んでいませんか?
【参考記事】
・ 追悼
中部銀次郎
・ 中部銀次郎の流儀
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