『Wスタンバイ! ダブルユー&ベリーズ工房』 レポート

 

『Berryz工房が8人組のユニットになった日。』

2004年8月15日、日曜日。

私は「神奈川県民ホール」で行われたWとBerryz工房のライブへ行きました。
チケットは夜公演分しか持っていませんでしたが、いつも通り知り合いとヲタ談話をして過ごすために13時過ぎには家を出て、14時半ごろには会場に到着しました。

何気ない話をしているうちにあっという間に昼公演は終わりました。
私は、ツアー初日から体調を崩している様子の桃子が今日はどうであったかを知り合いに尋ねました。
返ってきた言葉は「比較的元気そうだった。」という言葉。
この言葉に私はふっと胸をなでおろしました。

しかし、どうやら今度は梨沙子の調子がかんばしくなかったらしく。
『LOVEマシーン』の前でダウンしてしまったとのこと。


そうして迎えた夜公演。
開演ギリギリに入場しました。
席は3階の最後列から2列目という、ステージからは最も離れた場所。

10分ほど押してようやく開演。
今考えると、この開演押しもギリギリまでどうするかで揉めていたのかもしれません。

1曲目の「あなたなしでは生きてゆけない!」でBerryz工房が登場。
人数を数えるとしっかり8人居ました。
続いて2曲目の「ファイティングポーズはダテじゃない!」に突入。

やはり桃子の体調が気になった私は双眼鏡で様子を伺いました。
その表情までは分かりませんでしたが、力強いダンスを披露していたように見えました。


そして、Wをステージに迎え入れてのオープニングMC。
滞りなく進んでいきます。

Berryzのメンバーは、次の曲の準備ということで一旦ステージ袖へ。
Wの二人がMCでつないで、新曲『ハピネス〜幸福歓迎!〜』を歌うメンバー達。

私がステージの異変に気づいたのは1コーラス目の途中でした。
ステージ上にはメンバーが7人しか居ません。
居ないメンバーが桃子だということに気付くまでには、そんなに時間はかかりませんでした。

この時点でガックリと膝に手を付いていました。


しかし、そういつまでもガックリしていられる状況ではありません。
桃子のパートは、曲だけが流れ歌が飛んでしまうのです。
急な出来事な上に、初のツアーで余裕のない残されたメンバーがフォローすることなんて無理な注文。

私はまだうる覚えの新曲のパート割と歌詞を必死に思い出し、桃子のパートを必死に叫びました。
とにかく桃子のパートで会場が静まるのが嫌で嫌でしょうがなかったんです。
泣きたい気持ちではありましたが、不思議と涙は出ませんでした。

続く『蝉』でも必死にパートを埋めました。

ステージは暗転。
上手からスタッフが駆け寄りキャプテンの清水を舞台袖に呼び寄せます。
この時、桃子の状態などの説明がなされたのでしょう。
おそらく「今日の復帰は無理」という説明だったのだと思われます。

ここで会場からはどこからともなく「桃子コール」が沸き起こりました。
1階席と2階席がどうだったかは分かりませんが、3階席は確かに「桃子コール」でした。


しかし、ステージに桃子の姿は戻りませんでした。
それまでか、ステージ上には梨沙子の姿もありません。

説明を受けて戻ってきたキャプテンは、


「桃ちゃんの調子が悪いようですが、残りの7人で頑張ります。」


と、コメント。
しかし、その時のキャプテンの声は、完全に涙声でした。

それでも、泣きたい気持ちを抑えてなんとか台本通りにMCを進めていくキャプテン。
個人の自己紹介で最初の梨沙子を紹介したところで、初めて梨沙子まで居ないということに気付いた様子でした。
それでもなんとか次の友理奈を紹介。

通常は桃子がキャプテンを紹介するのですが、そこは千奈美が機転を利かせてアドリブで紹介。


「キャプテンとして残りのメンバーを引っ張っていきます。」


涙声での自己紹介でした。

ライブは「友情 純情 oh 青春」から「ピリリと行こう!」へと進んでいきました。
ここも部分部分で歌詞が飛んでしまう状態。

その後の「ジャンケンぴょん」「GET UP! ラッパー」「LOVEマシーン」では、Wの二人が抜けたパートをいくつか補っていました。



そして、二人がステージへ戻らないままライブは終演となりました。


 ◇ − ◇ − ◇ − ◇ − ◇


その場ではやっぱり凹みましたが、あそこで無理をして曲の途中でそれこそ倒れこんだりするのを目の当たりにするよりは、良かったのだと思っています。
ただ、ああなることが予想できたのなら、始まる前の時点でドクターストップを出すべきでしょう。

まだこの先、地方を回るわけですから、本当に無理だけはしないで欲しいです。


 ◇ − ◇ − ◇ − ◇ − ◇


会場で巻き起こった桃子コール。

キャプテンが流した涙。



ステージ上のメンバーは6人でも。
Berryz工房のメンバーは確かに8人でした。


怒涛のように進んできたこの6ヶ月間。

そんな中でも、メンバー同士の絆はしっかり出来ていたようです。

このツアーが終わった時。
Berryz工房は、またそこから新たなスタートを切ることでしょう。



今はとにかく、桃子と梨沙子は体調を万全に整えること。
他のメンバーも体調管理をしっかりすること。

そして周りの大人が少しでも負担のかからない配慮をしてあげること。
(と言っても、安易に口パクには逃げて欲しくない。最終手段にして欲しい。)


こうなってしまったからには、公演の延期や中止もやむを得ないのではと思わざるをえません。